同時廃止とは
同時廃止事件とは,破産者に一定以上の財産がない場合,免責不許可事由(浪費,賭博,射幸行為,換金行為,へんぱ弁済等)がない場合に採られる手続きです。売却すべき財産がないため,手続も簡単です。破産者の多くは返済に追われて大きな財産を所有していないため,多くのケースで同時廃止事件として手続きがなされます。
管財とは
一方で,ある程度の財産を所有しているケース,免責不許可事由があるケースは管財事件(少額管財)となります。管財事件は管財人による調査が行われるため,手続きの流れが同時廃止事件よりも複雑になります。財産を調査し,換価(金銭に換えること)して,それにより得た金銭を各債権者に弁済または配当します。そのため,同時廃止事件よりも手続きに時間を要します。
同時廃止と管財の違い
手続条件
同時廃止
- 保有財産が裁判所の定める一定基準を超えない。
- 免責許可不許可事由(浪費,賭博,射幸行為,換金行為,へんぱ弁済等)がない。
管財
- 保有財産が裁判所の定める一定基準を超える。
- 法人の代表者や個人事業主の方。
- 借金の金額が比較的多い。
- 免責不許可事由の有無について調査の必要性があると判断される。
手続期間
同時廃止
- 申立後,約3~4か月。
管財
- 申立後,約4か月~1年。※財産の換価等で1年以上になる場合もあります。